今年(2017年)のノーベル文学賞の受賞者の発表があったけど、う~ん、村上春樹、今年も受賞しなかったなぁ。
で、受賞したのは日系イギリス人のカズオ・イシグロ。
恥ずかしながら、この人の事は全然、知らなかったんだよね。受賞のニュースを聞いてたんだけど、映画化もされた小説を書いてるそうだし、日本でドラマ化された作品もあるらしいじゃないか。
読んでみたい!
って事で、すぐにAmazonを覗いたんだけど・・・入荷待ちの表示(涙)
読みたいと思ったら、すぐにでも読みたい。基本的に読書は紙派(ハウツー物や雑誌系はkindle)なので、読むなら紙!散々、探し回った挙句、一番早く入荷しそうなオムニ7で予約した。
レビューを見る限り、なかなかの高評価が多いので楽しみ。
で、今回の話は・・・村上春樹と、彼に関連してジャズの名曲の話。
ノーベル文学賞の発表の日、久しぶりに彼の本を再読してみた。
今年は受賞しそうな気がしてたんだけど、まぁ、来年に期待!って事で久々に本棚の奥から引っ張り出してきた。
「中国行きのスロウ・ボート」だ。
オレが中学生か高校生の頃に出版された、村上春樹の初めての短編集。
もうね、この短編集・・・
何度読んだか分からない!
ってぐらい読んだな。
最初に読んだ時は、
変わったタイトルだな・・・
って思った記憶がある。
タイトルの「中国行きのスロウ・ボート」だけど、これについては、村上春樹自身が述べてるんだけど、
「もちろん例のソニー・ロリンズの演奏で有名な『オン・ナ・スロウ・ボート・トゥ・チャイナ』からタイトルを取った。僕はこの演奏と曲が大好きだからである。それ以外にはあまり意味はない。『中国行きのスロウ・ボート』という言葉からどんな小説が書けるのか、自分でもすごく興味があった」
村上春樹は、作家になる前はジャズ喫茶を経営してたぐらいだから、さすがジャズに造詣が深い。てか、ジャズに限らず音楽全般だ。「ノルウェイの森」もビートルズの曲名だろ。
そういうオレも、当時はジャズを少しばかり聴き始めた頃で、あの頃はもっぱらビル・エバンスのピアノを聞いてた。彼のPortrait in jazzなんて、歴史に残る名盤だと思ってる。そんなオレだから、周りがアイドルやらに夢中になってる姿を見て、
ガキだな!
なんて、エラソーに言ってた頃だww
そんなオレは、村上春樹の本のタイトルからソニー・ロリンズを知ったんだけど、言わずと知れたジャズ界の超ビッグ・ネームだ。(この辺りは、音楽の教師にいろいろリサーチして知識を得たw)
ピアノも飽きたしサックスでも聴いてみようか
って気分で、レコード屋さんに行ったんだけどね。あの頃は、レコード屋なんてのがたくさん有ったし、もちろんLPレコードだ。ソニー・ロリンズといえば、いろいろアルバムを出してるし、どれを選べば良いか分からない。とりあえず図書館で軽く下調べしてレコード屋へ。
どうやらSaxophone Colossusってのが、有名らしいことを知って迷わず購入。一か月の小遣いを母親から前借りだ(涙)
これね・・・
衝撃だった!
一曲目のSt.Thomasからぶっ飛んだからね。この曲は、聴いた事ある人も多いだろうけど、初っ端からグイグイ引っ張る牽引力。他に映画「悪の教典」で主人公の教師が鼻歌を唄いながら生徒を殺していくけど、その鼻歌Mack the Knifeの原型Moritatが収録されてる。
このアルバム、聴いてて心地よい。
名盤中の名盤!
こりゃ、すごいモノ聴いたわ!
って喜んだんだけど、懸案の「中国行きのスロウ・ボート」が収録されてない。今と違って、インターネットもないし、もちろんyoutubeなんて影も形もない時代だ。
村上春樹が小説のタイトルにするぐらいの曲って、どんな曲なんだ?
こんな凄いサックスを吹くソニー・ロリンズが演ってるって、どんな感じなんやろ?
もう、気になって気になってしかたない。
またまた図書館で調べてみた。
資料が悪かったのか、探し方が悪かったのか、なかなか見つけることが出来なかったんだけど、輸入盤に収録されてる事が分かった。
山口県の田舎に輸入盤・・・
有るわけない!ww
また母親に小遣いの前借りだ(涙)
本を買う金はいくらでも出してくれたけど、趣味に使う金は小遣いでやり繰りしてたのがマサト家の教育方針。
次の実力テストで一番を取る事を約束して、どうにか金を前借りww
その金で福岡までレコードを探しに行ったからな。
で、無事に見つけて、速攻で帰宅して聴いたんだけど・・・
名曲!
あれだな・・・名曲を名人が演ると・・・
もはや芸術!
「中国行きのスロウ・ボート」On a Slow Boat to China
これ、なんど聴いても良いな。
秋の夜長に、ソニー・ロリンズを聴きながら村上春樹を読む・・・
お洒落やんか!ww

ちょっと「中国行きのスロウ・ボート」の曲について補足しとこうかな。
映画や舞台の挿入歌じゃなくて、単独の曲としてフランク・レッサーが1947年に作詞・作曲。ロリンズの他にもベニー・グッドマン、エラ・フィッツジェラルドなんかも取り上げてるスタンダード曲。
ジャズ畑だけじゃなくて、ポール・マッカートニーも演ってるそうだ。
村上春樹自身も、彼の著作「村上ソングズ」の中で、この曲の訳詞とエッセイを書いてる。
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